Atelier Cloitre space
image image image image
space
space space
Information
Photo Archives
Design Works
France
d'Autre
Romanesque
Romanesque
Profile
Links
info@a-cloitre.com
DATA
設計時期:2003年
発注者:個人
設計監理:アトリエ・クロワートル
施工:岸本建設



2階より食事室・パティオを臨む
2400×1100というたっぷりとしたサイズのダイニングテーブルは、家族そろっての食事だけでなく、パーティはもちろん読書や裁縫などちょっとした家族の行為の場となり、家族が集う「広場」の役割を担う。
木製の大きな建具を介して食事室につながるパティオの床はウッドデッキ。
パティオには父の部屋、娘の部屋の窓が面しており、各個室はパティオ越しに食事室の様子を伺うことができる。
祖父の代に建てられた民家の改築計画である。
改装増築がされていたものの古い民家の木組みは魅力的で、なんとか遺して再生したい建物であった。しかし、阪神大震災で受けたダメージは無視できず、加えて当家の世代交代に伴い発案された賃貸マンションの建設計画などとの関係から旧宅を撤去し新築することとなった。

世代交代に伴う家族構成の変化に対応した個室が欲しい、この機会に整理するとはいえ尚相当な量となる先代から残された家財を納めるために十分な納戸スペースが欲しい、田の字に和室の並ぶ民家とは異なる空間構成として現代生活に適した機能と意匠を備えて欲しい、車を趣味とする長男のための3台分のガレージを確保したい等々、様々な要望に応えながら打合せは幾度となく行われた。結果として、地域の旧家である大作りな民家に暮らしていた家族らしく、延床面積が100坪に迫る大きな住宅となった。

構造は施主の希望もあり壁式のRC造とした。
6m×6m×h3mの立体を縦横3列の計9個、それを上下2層に積み上げた立体格子の中に、パティオや玄関前庭など外部空間を含めて必要諸室を組み込み、実態の敷地形状に応じて寸法調整するという考え方で全体が構成されている。
この住宅でも、家族個人のプライバシーを確保しつつ、家族のふれあいや家族の集う賑わいが住宅全体をダイナミックに満たすこと、日常的な営みの中に自然の光と風をふんだんに取り込むこと、それに新築とともに家族の記憶がリセットされてしまわぬよう旧宅の記憶をさりげなく盛り込むことなどを設計上のテーマとしていることに変わりはない。

玄関
上框からの撮影。正面左に見える板間は仏間につながり、客の出入りが一方通行となる2ウェイを確保した。「本家」らしい法事が可能となるように。
台所
車椅子の生活となっても台所に入りたいという父親の希望にそった大きな通路幅。父・長男嫁・孫娘と3代の共同作業を可能とする意図もある。
食事室から台所を臨む
食事室と台所はカウンターを介してつながる。「家族の食事」は家族交流の原点である。準備から片づけまで家族の目線や会話が絡む構成としたい。
仏間
旧宅にあった凝った造りの仏間への家族の思い入れは大きかった。新築したこの仏間の寸法構成や意匠は旧宅のそれの写しとなっている。
主寝室(長男夫婦の寝室)
写真の窓からは門や長男の書斎が見える。深夜の帰宅時や書斎での仕事中にも「窓の灯り」からお互いの存在が感じ取れるように。
パーティルーム(2階リビング)
友人たちが集うホームパーティが可能な6m×6mのたっぷりとした大きさのリビング。
2階シャワールーム
パーティルームから利用できる便所とシャワールーム。1階に風呂を設けており、こちらは宿泊客のための予備的なもの。
書斎
ガレージ2階に設けた長男の書斎。家業の事務所も兼ねる。右手の扉奥には便所・ミニキッチン・納戸・サーバールームを配した。
屋上
屋上パーティが可能となるようコンセントや流しが仕込んである。各地で開催される花火大会が眺められる絶好の夕涼み場所でもある。